第1章で全体像を掴んだら、いよいよ具体的な「仕訳」の世界へ飛び込みましょう。
この第2章で扱うのは、ビジネスで最も頻繁に行われる「商品の売り買い」と「お金のやり取り」です。最近のネット試験で頻出している最新の決済手段についても深掘りしていきます。
1. 商品売買のスタンダード「三分法」
簿記3級で必ず登場するのが「三分法(さんぶんぽう)」というルールです。
商品を「仕入(費用)」「売上(収益)」「繰越商品(資産)」の3つの勘定科目で管理する方法ですが、日常の取引では主に上の2つを使います。
① 商品を仕入れたとき(仕入)
商品を仕入れた代金だけでなく、発送運賃(引取運賃)を自社で負担した場合は注意が必要です。
- ルール: 引取運賃は「荷造発送費」ではなく「仕入」勘定(取得原価)に含める。
例: 100円の商品を仕入れ、運賃10円を現金で払った。
(借) 仕 入 110 / (貸) 現 金 110
② 商品を売ったとき(売上)
売った時の運賃(発送運賃)は、仕入れ時と異なり「発送費」などの費用として処理するのが一般的です。混同しないようにしましょう。
2. 「後払い」の仕組み:売掛金と買掛金
商売では、その場で現金を渡さずに後日支払いを行う取引をすることがよくあります。いわゆる後払いなのですが、これを「掛け取引」と呼びます。掛け取引には2種類あります。
- 売掛金(うりかけきん): 商品を販売した側の掛け取引。代金を後で受け取る権利(資産)がある。
- 買掛金(かいかけきん): 商品を購入した側の掛け取引。代金を後で支払う義務(負債)が発生している。
返品(赤伝)の処理
「商品が壊れていた」などの理由で返品があった場合は、仕訳を逆にするだけでOKです。
例: 売り上げた商品50円分が返品された。
(借) 売 上 50 / (貸) 売掛金 50
3. 【重要】最新の決済手段(クレジットカード・電子マネー)
最近の簿記検定で非常に出題率が高まっているのが、キャッシュレス決済です。使う勘定科目が独特なので、セットで覚えましょう。
① クレジットカード払い(売上側)
お客さんがクレジットカードで支払った場合、お店側は後日カード会社から入金されるのを待ちます。
- 使う科目: 「クレジット売掛金」
- 注意点: 支払手数料(カード会社への手数料)が発生するパターンが多いです。
例: 1,000円の商品をクレジット決済で売り上げた。手数料(30円)は販売時に計上する。
(借) クレジット売掛金 970 / (貸) 売 上 1,000
(借) 支払手数料 30
② 電子マネー(チャージと支払い)
SuicaやPayPayなどの電子マネー取引も試験範囲です。
- チャージした時: 一般的に「仮払金」(問題文の指定による)として処理します。
- 支払った時: 消耗品費や旅費交通費などの費用に振り替えます。
ポイント: 電子マネーは「現金」勘定には含まれません。問題文の勘定科目一覧を必ず確認しましょう。
第2章のまとめ:ここが試験に出る!
- 仕入の時の運賃は立替払いなどの指定がない代わり「仕入」の科目として計算する。
- 売る時の後払いは「売掛金」、買ったときの後払いは「買掛金」。
- カード売上は「クレジット売掛金」。手数料のタイミングに注意が必要。
日常の取引は、一度パターンを覚えるとパズルのように解けるようになります。まずは基本の「三分法」を完璧にして、次のステップへ進みましょう!

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